今年の塔は今年のうちに。
塔2020年12月号より
ハイハイと私の話は打ち切られ4Fでも5Fでもない踊り場
(久岡貴子)
ひと束とひと束半のそうめんを昼餉に茹でて日日粛粛と
(西川照代)
むらさきの小さな花が咲きました。この夏さいしょのあさがおメール
(福西直美)
オフィスはビニールシートに仕切られて水槽の底にひらくPC
(栗山れら)
よそゆきの出番少なしくるくると繰り返しているTシャツの日々
(浅野美紗子)
今日はただ白い花だけ目に入る見舞い帰りの汗ばむ丘の
(丘村奈央子)
帰り道暮れゆく空を眺めゐてだいだい色の月に出会ひぬ
(赤井稚加)
ぶちぎれた転校生が黒板に向かって投げたアラビックヤマト
(うにがわえりも)
アイシャドウ付いてしまったTシャツを気にして君と少し離れる
(濱本凛)
まだ降ってないなと思う空の底ささえるように腕を差し上ぐ
(toron*)
プライベートはある意味落ち着きましたが
しかし、今年は年の瀬感が薄いですね。わたしだけ?